3Dを漫画で使う

結構前から漫画に3Dは使うようにしています

自分が気持ち盛り上がってやってた頃は本当に一部のオタクっぽい人たちが触ってた感じなんですが、ここのところ結構カジュアルな感じの漫画家さんたちにも関心が高くなっているようですね

自分は背景・小物に使う建築物や工業製品を中心に使っていて、クリーチャーや植生には使っていません。それらに使うにはまだまだ課題が多いな、と思っているからです。おそらく一番ありがたみを感じるのは繰り返しの多いパーツで、階段とか柵とか屋根とかビルディングとかでしょう

簡単なものは自分でモデリングしますが、難解なものはライセンス素材ものを買って使うことが多いです。

自分の技術と時間的な余裕とアートとの相談ですが、基本原則的にはレンダリングで描画される線よりも手描きの線を極力用いた方が良いとは考えています。プログラム的に引いた線はどうしても生きた線とは言い難いですし、それらを生きたものにするには相当な研究が必要になります(残念ながらそのための時間的なリソースは圧倒的に足りません)。手で「味」を書き足したりすることも多いです

とはいえ、これらはモノクロ線画の漫画に関してであって、カラーの漫画に関してはまた事情が違ってくるとも考えます。WEBネイティブの漫画はカラーのものも多いですし、海外に関してはむしろそちらの方が強いようにすら思います。今までは自分はサボってたんですが、研究してカラーでの出力についても研究したいな、と思い始めています

3D絡みの勉強は一人でやるのは困難です。頼れる人と繋がる必要は間違いなくあります。とはいえ、漫画としての作品作りが疎かにしてまで3Dのコミュニティに入り浸る必要はないですが。道具に振り回されてしまっているな、と自覚するようなら、さっさ手で描く方に切り替えて、柔軟に対応した方が良いと僕は考えます

ここからは技術的なことの話をします

モデリングはだいたいblenderを使っています。オープンソースであり、無料で使えて沢山の機能強化のためのアドオンがあります。幾らかの形状は難しいものがあって、その場合zbrushを使っています。ユーザビリティと機能の弱さに不満があるのでセルシス製品の3D機能はあまり使っていませんが、ちょうど良い感じのライセンス素材があれば使うこともあります

以前に作ったblenderのアドオンなんかも自分は公開してます

https://github.com/kuromook/blender-lineart-node

3Dのレンダリングには、相応の時間がかかります。普段は漫画作業はノートPCでやっていますが、かなり軽いものでないとレンダリング走らせた時にスタックしてしまいます。クリスタと並行で立ち上げて作業をしていると目を覆いたくなる状況になります。コア数の多いCPUを使っているなら3DソフトのCPU割り当てを分散してかわすことも選択の一つです。それでもうちのマシンで重いモデルのレンダリングには時間がかかりすぎるため、別のマシンでレンダリングするようサーバを用意してやっています。デスクトップならそこそこのスペックのものでも十分なパフォーマンスがでます