紙媒体の漫画と、今のWEBの漫画の違いは「好きでないことでもやる」か「好きなことをやる」か、だと自分は考えてます
前者は企画を作るとかする時にまずハリボテを作ってお金を集める。そして、「○○をやりたい人」を募る。実際は都合よく集まるべくもなく、絵のそこそこ描ける人に、○○を描かせる。割り当てられたその漫画家は実際は全然好きじゃないそれを「○○が好きです!頑張ります!」って言って頑張る。割りに合わない安い仕事料でも、キャリアプランに全くマッチしていなくても、仕事がないから受ける。
表面上嘘でも、実際消費者は気にしないし、楽しめれば良い。お金を集めた人も、作ってる人も嘘でも、あくまで消費者の前に出ている間だけ、嘘をつき切れれば問題はないし、それほどこれは難しいことでもない。
僕自身もそうやって作った作品がいくらかあることは白状します。
でも逆に、ソーシャルな時代にはこれは難しいことだと考えています。
読者との距離はとても近く、また、ソーシャルへ宣伝する活動もずっとこまめでなくてはならない。雑誌に乗ることやポスターは一度印刷されて流通に乗せればそれで視認される存在だけど、SNSはあっという間に流れていっていまう。嘘バレが怖くて黙っていたら存在しないのと同じ、だから喋る。声を出さないと何も伝わらない。人脈を作ろうとした時に「実は○○は好きじゃないんですよね」とも言えない。
「好きでもないもの」をやって嘘をつき続けられないと思うんですよね。メディアに出ている間だけ嘘を付いていれば良いというわけには行かない。
「好きでないものをやって生きていくことは、できない」のが今のソーシャルのメディアなんじゃないか、と考えていて、WEBネイティブの漫画を作るにあたって、まずそのことを念頭に置いてやろうと考えています